2022年9月26日月曜日

熱が伝わる


気がつけば仲秋の明月も過ぎ9月も終わり。

芸術の秋の名のもと、気になる映画やライブ、美術館、本を漁っている。

有難いことにアートに精通している友人や

仕事をしてない博学のプロニートの友人から色々と情報が入ってくるので

インプットの期間として浴びるように色々な人の考えを吸収している。

そんな感じでとあるライブに行った時の話。




友人からBob Jamesのライブの誘いをもらった。

ボブといったらジャズ界を代表するピア二ストの巨匠の一人。

最初に誘われた時はまだ生きてたのか〜!と思ったが

二つ返事で行くことを伝えた。

当日、夕方頃から仕事はせずにアトリエで音楽を聴き

ちょっと早めに行ってビールを飲みながら向かった。

場所は青山のブルーノート。

行ったことがある人はご存知かと思うけど、あそこ大人の場所っす。

門構えもテンション上がるし、サービスもしっかりしてるし、

ちょっと背伸びしてお澄ましして行くところ。

もし異性がデートに誘ってきてブルーノートを候補にしたら

無条件でポイントあげて欲しい (すみませんアーティストによるわ)






会場に入ると50代〜70代くらいのおじさん達、

ジャズが好きそうな綺麗めな人達で埋め尽くされていた。

私たち30代は少し浮いているな〜っていう感じだったけど

音楽に年齢も性別も関係ないのでお澄ましな顔をして

ウイスキーと軽食を頼み、ボブの登場を待った。




今回はトリオだったのでボブのピアノとベースとドラムの3人体制。

入り口からスッと登場し、少しスピーチをして演奏が始まった。

ボブさ、もう82歳のおじいちゃんなんだけどiPadの譜面使ってて

それだけでもすごい〜って思ってたんだけど、演奏の方はね、

激しい訳じゃないんだけど、覇気と優しさが混じってジワジワくる感じだった。

それよりも、ぶっちゃけるとドラマーがボブをめちゃくちゃ食ってた。

ドラムソロがあるんだけど、もうね、彼の叩く音の熱が伝わってきて

こっちまで汗ばんで、会場の温度5度くらい上がって、

最終的に息ができなくなりそうな圧で涙がでた。

そのソロをボブは始まりは渋い顔で見てて、途中はすごいだろ彼!

みたいな顔になって、最終引っ張られて真顔で熱い演奏になった。

熱が伝染する瞬間を体験した。

外に出ると真夏の鬱陶しい夜とは違い心地良い風で包んでくれた。






今の時期の夜はとても過ごしやすい。

こんな気持ちのいい夜は友人の住んでいたウィーン の夏を思い出す。

若くてお金がなかったので流れる路面バスを無賃で乗り

安いハムとお酒を買って公園で上映されるよく分からない映画を観て

そのまま少し寝て、さてもうそろそろ帰るかみたいな緩い生活をしていた。

今もあんまり変わらないんだけど、昔より変わったことといえば

面白そうなことに貪欲になれていることかなと思う。

それは時間やお金や心の余裕といったしがらみの関係というより

今、自分に必要としているものを選択することを

若い時より大切にしないといけないと感じているからかもしれない。





最近、歌舞伎町を友人と歩いてたら

「初回1000円ホストいかがですか〜」

と10人くらいに声掛けられた。

行ったことないように見えるから初回っていうのかしら?

(もちろん行ったことないっす&行きたいっす)

多分メンタルめちゃくちゃやられてたら

この界隈で心を満たされる子がいそうだな〜と頭の片隅で想像した。

そんな子たちはブルーノートに行って

良い音楽を浴びて欲しいなと思いつつ

友人と夜のバッティングセンターに向かい

ひたすらくる球を打ち続ける秋の夜でした。






Bob James ---- Westchester Lady




オブジェクトを作り始めました。

"ゆらぎ"をコンセプトに色々展開してみてます。

どことない空間に是非〜










Feeling good

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