2020年4月28日火曜日

ナンパ

天気がいい日に Pat Metheny Last Train Home
爆音でアトリエで聴くと、
荒野に放り出された気分になり
14時くらいなのに今日はもう終わりかな〜
ってなってしまう日々を皆さんいかがお過ごしでしょうか。




家で仕事をする想定がなかったので
仕事用の環境が整っておらず、
本を読む用の椅子で膝をテーブル代わりにポチポチしてます。
この体勢はもって30分とかでデスクを買うのも時間の問題。
でも仕事用のデスクを買ったらアトリエに行かなくなりそう。
人生で一番膝使ってるんじゃないかと思う。




ところで椅子って皆さんお好きですか。
椅子は彼氏を選ぶと同じくらい悩ましいもよね。
見ためが良くても座るとイマイチとか
見ためあんまりだけど座るとあら結構いいかもとか
置く空間を想像して他の家具と相性悪そうとか
もうポイントをあげるときりがない。
選ぶ条件なんて人それぞれ。(彼氏もね)




家具って服と違って
頻繁に買うものじゃないから興味持てないと
使えれば大丈夫ってなる人も多いかと。
服も着れれば大丈夫ってなるか。
とは言え、勝手に私の好みを紹介しちゃお。
名付けて〜モダンチェアシリーズ〜




Marcel Breuer マルセル・ブロイラー】
チューブ状のスチールを用いたバウハウス期のデザイナー。
自転車の構造からインスパイアされたワシリーチェアは
自分で組み立てれる、いたる大量生産に向けた未来的な発想でつくられた。
コルビジェのワイヤーシリーズと見分けつかない人は
マルセルのワイヤー使いは女性的な曲線というか
置くだけで周囲を柔らかい印象かどうかがポイントっす。
これに座る人はジルサンダーやボッテカ(ダニエル・リー)系かしら。
シャープで髪の長い優しい女性が座ってたら椅子も喜びます。









Eero Saarinen  エーロ・サーリネン】
アーチ状構造を多く取り入れたのミッドセンリュリー期のデザイナー。
アナログフューチャー感マックスでモダニズム街道まっしぐら。
大抵の人は椅子を想像すると4本足の椅子だと思うけど、
サーリネンの代表的なのはシンプルな1本足のチューリップチュア。
イームズと協業でガラス繊維強化プラスチック製も当時は画期的よね。
ホドロフスキーの映画「ホーリー・マウンテン」とかの世界観を想像してね。
この頃のはイームズやイサムノグチ、ハリーベルトイアで
紹介したいの人いっぱいだけど割愛。
これに座る人はプラダやマルニ、クレージュ系の
ノスタルジックでお茶目な女性が座ってたら椅子も喜びます。
お部屋が散らかっててもこの椅子があるから大体良い感じに見えるよ。








Giancarlo Piretti  ジャンカルロピレッティ】
折り畳みパイプ椅子の原型を作った1960年代のイタリアのデザイナー。
今はどこでも見かけるけど、当時は椅子を折り畳んで25mm
厚さてって画期的だったのよ。
しかも畳んで真っ直ぐってデザイン的にもミニマルマックス。
椅子をいかに機能させるかというコンセプトのもと、
使ってみてはっきり機能がわかるものがデザインの使命といった感じの
バウハウス以降のモダニスト。
これに座るのはもう尖っていた頃のヘルムート・ラングか
同じ型のティーシャツ10枚持ってる系の
無駄のないルーティンで生きてる女性が座ったら椅子も喜びます。








まだまだ好きな椅子いっぱいあるんだけど、
説明はなしで画像のみこちら。




 


何かバカっぽいの好きなんだよね。
もう座るというか飾るに近いかも。
家にあったら嬉しくてそれだけで幸せ。






大学生で上京するときのこと。
飛行機の隣の席のお姉さんがスクラップした資料を開いてて、
横目でチラッと覗くと家具系だったので話しかけみたら、
家具のコーディネーターさんだった。
彼女は目黒通りの家具屋さんで働いていて、
手作りの資料を見せてくれた。
当時家具の歴史を知らない私は、
家具の写真とその時代背景、作り手、他のプロダクトの展開が
すごく詳しく書かれたスクラップに衝撃を受けた。






あれから15年くらい経つ。
目黒通りは日本一の家具屋通りだったんだけど、
ここ数年でお店が潰れてて悲しい。
寧ろ大きな土地を買い占めて、新しくニトリができる。
家具のユニクロができることで、
周りのお店が相乗効果で盛り上がるといいなと思う。






声掛けるのって(ナンパか)勇気いるよね。
いいなっと思ったら声掛けるのお勧めしてる。
でも今声掛けたら、めちゃくちゃ嫌がられそうだよね。

ナンパの時代の終止符を感じる春。







WEB SHOP





2020年4月19日日曜日

忘れたくないこと


散歩をする。
すれ違う人々はマスクをしている。
マスクをしている人は人として認識ができない。
私の中で「人=顔」なのかもしれない。
マスクをするだけで、その人がどんな服装だったかも全く思い出せない。
顔というのは人を認識する上でとても重要だと感じる。




散歩をする。
犬を連れている人が前にいる。
犬が先頭しているから犬に連れられているみたい。
お尻が可愛い。
そうかこの飼い主はお尻を追いかけているのか。
追いこしたら犬に吠えられた。



散歩をする。
外に出られる唯一の時間のようだ。
まるで囚人かと感じる日もある。
晴れているだけで何か嬉しい。
少し歩くだけで自由になれた気がする。
ショーシャンクの空にのエンディングを思い出す。
無駄にお花とか空とか影の良い感じを撮ってしまう。
誰に見せる訳でもないのにね。



散歩をする。
マスクをしてない人がいる。
そうだ、これが普通だよな。
今がちょっと変なだけなんだよね。
自分もマスクを取ってみる。
肌に触れる空気が冷たくて気持ちいい。
夏もマスクって嫌だなと思う。



散歩をする
桜が散りかけている。
友達とお花見ができなかったな。
夜の公園でベンチに座ってビールを飲む。
10分で飽きてすぐに家に帰る。
かなり高い確立で遭遇する近所の友達が引っ越したのを思い出す。
いなくなって初めて悲しいと思った。



散歩をする。
ついでにスーパーに行く。
そら豆が好きで、毎日のようにオーブンでホクホクに焼いている。
竹の子ご飯も、菜の花のからし和えも、ふきのとうの煮付けもした。
ほぼ毎日料理をしている。
人がつくった想像を越える料理が食べたくなる。
近くのステーキ屋が営業していたのを思い出す。
行こうかと思ったがステーキは想像越えないなと厳しいジャッジをする。
kabiでお腹いっぱい食べて飲むのを想像したら泣きそうになった。
オープンしたら真っ先に行こうと決めた。



散歩をする。
前を歩いている女性二人が立ち止まる。
人の家の塀から生えているジャスミンに鼻を近づかせている。
何か胸が熱くなった。
彼女達がいなくなってから私も鼻を近づける。
甘くて優しい香りした。
サンタマリア・ノヴェラのジャスミンの香水が好きだ。
似合うと言われて嬉しかった記憶が蘇る。



散歩をする
人の家の壁が気になる。
どうしてこの色にしちゃったんだい。
うわぁこの石の使い方センスある。
この材質なんだろう。
タイル可愛いな。
いやいやこのウツボみたいなのどうしたんだ。




散歩をする。
植物を買って帰る。
どうしても枯らしてしまう傾向がある。
最初だけ愛を注ぐタイプのようだ。
名前をつけてみる。
「ケアヌ」にしてみた。
結構気に入っている。
でももう葉っぱを傷つけてしまった。
謝った。植物に。







部屋にいることが多くなって
散歩をし始めて忘れたくないことのメモでした。
散歩しなくていい荒れた生活に戻りたい。













WEB SHOP




2020年4月12日日曜日

お手伝い

このブログを読み返すとファッションのことを
全くといっていいほど書かれていなくて、
ただ唾を道に吐き捨てるような
(例えが悪くてごめんなさい)
徒然なるまま書いてることにびっくり。
この人あんまりファッション興味ないのかな〜
って思っちゃうよね。










ファッションは全て繋がってると思ってる。
アプローチの仕方や概念は色々だし、
デザイナー達はそれぞれのやり方で
自分たちの畑を耕し、美味しいものを届けている。
時代にフィットするものや、少し先を提案するもの、
自分の味を大切にするもの、生きていくためのもの、
自由度が高い世界なので切り口はいっぱいある。




そんな中で少なくとも大切なのは理想だと思っている。
昔は理想っているのかと思っていた。
そういうものを掲げて生きてた試しがないタイプなので。
けれど、ものをつくること、何かを表現することをすると違ってきた。
単純な話だった。
もっと良くしたい、
もっとこうなればいい、
もっとこういう人に伝えたい、
もっと、もっと、、



それは現実との闘いで培われるものでしかなく、
理想と現実は相互関係のように
自分を今と未来で比較し
見つめ直していくようだった。
昔の理想がない自分はというのは
自分と向き合えてなかったからかもしれない。




そして「もっと」っていうのが積み重なって
手を動かしたり、人と関わることで
オリジナリティやものの強さに響くんだろうなと今は感じる。
(あと孤独がポイントだと思ってる。)







先日スペアリブの煮込みを作った。
大学時代、何を思ったか当時つき合ってた人に
スペアリブの煮込みを作ったら脂の処理が半中途端で
脂まみれのスペアリブを披露。
(その人は笑って食べてくれた笑
あとスペアリブって言いにくいよね)
簡単に作れると思っちゃったんだろうね。
二度と失敗はしないと思いしばらくスペアリブを
ひたすら特訓してた時期があり今では得意料理に。





理想と現実のギャップってこわいよね。
今、理想のタイプの人とか聞かれたら
その点の自分はみえてないので答えは
「ないです」の一言だわ。
まだないのかよって心で呟く。




コロナで世界が変わってく中、
ファッションって何だろうねみたいな話をよく友人とする。
良くも悪くもあるけど、
普通に生きることのお手伝いよね。
(最後、無理矢理ファッションの話に)








WEB SHOPにて「私の棚」というテーマのもと
棚を豊かにしてくれるものを提案してるので
よかったら覗いてね。






2020年4月7日火曜日

先生

とある映画でのワンシーン。
4〜5人の若い男女が大皿のパスタを分け合う。
パスタを食べながら男は
「好きなモノを分かち合う喜びだな」という。
レズビアンの女は
「分かち合うって?喜びは人それぞれよ。
 私の喜びはあなたとは違う。
 あなたとは同じようには感じないわ。」
続けて男は
「男と女では本質的に喜びの性質が違うからね」





この映画のマックスはもうこんなオタンコナスボーイだったわ。
たぶん昔の私だったら普通に喧嘩ふっかけてたなと思い、
今の私はオタンコナスボーイと同じテーブルにつかないように
努力する次第だな〜という感じで映画漬けの毎日です。




映画は皆もう定額制の時代なのかい。
NETFLIXもamazon primeにも観たい映画がなさ過ぎて
私はもちろんTSUTAYA派。
(こないだ好きなTSUTAYAの店員さんが辞めてた。。
名前も知らない店員さん、色んな映画の裏話してくれて有難う。)




こんな世の中になってしまい、映画館もお休みに。
そんな中、映画配給会社さんはアップリンクさんが
過去の60本を定額制で観れるみたいなので
映画好きの人は是非チェックを。
あと支援ありきのプランもあるので
アップリンクをデートに使わせて頂いたあなた、
暇な時にふらっと立ち寄って一人涙をながしたあなた、
恩返しをするなら今しかないわよ。
映画館潰れちゃったらデート誘う文句なくるよね。








映画館もなんだけど、
ほぼほぼ自粛よね。
経済の話とかは専門家に任せておき、
少なくとも、好きなお店やお世話になったところに
プラスになることはしたい。
お世話になってるご飯屋さんやバーに
もう前金制度あったらしたいわ。
食べログさんとか何かできそうだけど。




久しぶりにクリスティーノ・ボルトーネの
「ミルコのひかり」を観る。
映画好きの10歳の少年が事故で失明して、
全寮制の盲学校に入れられて、心を閉ざしてしまい、
盗んだテープレコーダーから音という可能性を感じ、
そこから仲間達とレコーダーを使って一つの作品をつくる〜
みたいな感じのストーリー。






盲学校の中の規律は
社会の合理化を目指すみたいで。
人間の想像力や自由を奪う権利はないよね。
ミルコの可能性を信じてくれた担任の先生、
音が仲間の輪を広げてく過程が、
その輪から異空間が生み出されて、
ひとりの男の子の想像力が共有化されて広がってく感じ。
もう涙が止まらんです。






単純に自分の可能性を信じてくれる人がいるっていうのは
すごく幸せなことだと思う。
そんな人に出会えたならラッキーよね。
私の両親はこんな世の中なので、
飲みに行ってないか毎日連絡がくる。
全くもって信用されてない。苦笑
もう愛でお腹いっぱいよ。





中学校の先生が一人一筆の
漢字の大喜利色紙をくれたんだけど、
それが「輝」で、何でもチャレンジしなよみたいな
ことを書いてあったのを思い出す。
同じくらい失敗してるよ先生。










Feeling good

ラフォーレ前の交差点で帽子から靴まで 全身ピンクの装いをした 金髪のギャルおばさんが ラジオ型のスピーカーを右肩に背負いながら 優里のドライフラワーの曲に合わせて全力で歌い 練り歩いてた横を通った時に、 あぁ東京に出てきて良かったなと 心が軽くなる のは私だけでしょうか。 東京の...