2018年5月5日土曜日

情熱のカケラ

とある蔦屋での出来事。
2人用の向かい合いのテーブルの一脚に座りながら
雑誌を乱読してたら、目の前に腰を曲がらせたお老婆様が
「ここ空いてる?」
って聞いてきたので、
どうぞ〜って言うと、なんだかごそごそと動き回りながら
やっと席に着いた。夜10時くらい。
年齢的には80歳くらいで、
最近の高齢者は夜も長いのかと感心する。




最初は沈黙の時間が過ぎ、
もう帰ろうかなと思った頃、
そのお老婆様のスリッパが
あまりにも良い感じのボロボロ具合で
突っ込まずにはいられなかったので

「イケてるスリッパですね」と話してみると
「いい靴を履いてもこの年だと疲れちゃうのよ。
色々履いて、このスリッパがいいなってなって。
あとこんなにボロボロだと靴屋行って新しい靴買ったとき、
いつでも捨てれるじゃないの。」
なにこれ、新しいなこの考え方。
最早使い捨ての靴の時代が来てるのかと考えさせられたわ。



「昔はヒール履いてたし、
銀座が遊び場でおしゃれもしてたのよ。」
「そうだったんですね〜。
ハイカラさんだったんですね」
「そうハイカラよ!
それにしても今の子はヒール履かなくなったわね。
スニーカーでもおしゃれなものが増えたからかしら。」
待て待て。
お老婆様。80歳くらいなのに
そんなファッション敏感なの?!
めちゃ世の中見てるじゃない!
その後ファッションの話をし、
(主にレイヤーの話w)
お老婆様の好きなことについて話した。
演劇や旅行、ジャズ鑑賞が好きで勢力的に動いてらしい。


でも最近は歳を重ねるにつれて
興味の度合いが減ってるらしい。
足も悪くなって、気持ちも追いつかないようだ。
1時間くらい話をしていると、
そのお老婆様はどうやら色々経験をして
もう十分に分かったような話し方をしていた。
だいたい知ってるからもういいの。と。
色々やるのって疲れちゃうじゃない。
もう今はできるだけエネルギーを使わない生き方がいいのと。



話を聞きながら、歳をとるとそうなるのかと
改めて考えさせられた。
若いときの探究心はどこに行ったのか。
好きなことは歳をとると少なくなるのか。
面倒くさいって何なんだ。
エネルギーってなくなっちゃうの?
今、小泉今日子の素敵な生き方読んでるのに
何も影響されないの?w



そんな疑問が頭の中に少しずつ溜まってくる。
何かを知ったり好きになっていくことが"興味"で
のめり込んで追いかけることは"情熱"で
自分にとって知らないこと、分からないことが
海のように広がっていって、
船で航海するような感覚が広がることが
人生の楽しみなのではないかと思いたいけど、
そうではないようだ。


歳を取ると嫌でも自然と知識が身に付き
子供のような真っ白な頭の中のノートではなくなり
今まで生きたデータベースの何かに置き換え
あたかも全部分かったような気になるのか。
そんなんだったら、頭の容量が2メガくらいで
毎回何かに感動したいっす。



別れ際に名前を紹介し合う。
お老婆ちゃんの名前はヤスエちゃんといい、
「あなたの事、私好きよ。」
強い握手をする目はぎらついていた。
今度ジャズバーに行く約束して別れる。
帰り道のジャスミンの花の香りが沁みた。






深爪

椎名林檎や宇多田ひかるを聴いていると 女性解放と言わずもがな人間解放的な 本当に自由に生きていいと背中を押され 生き物として自由の根幹の大切さをひしひと感じる暑い夏、 皆様お元気でお過ごしでしょうか。 私事なんですが個人的に爪の白い部分が苦手で お仕事的にも料理をする衛生的にも...