2020年5月4日月曜日

雨が降ってきた

気持ちのいい夜。
何も考えずに生きていけそうな空気感がある。
家がなくても大丈夫なんじゃないかとか。
裸で外でれるんじゃないかとか。
朝起きたら虫になってるとか。(カフカの変身か)
心地よいというだけで余計な想像が膨らむ。





パリの友人の家に転がり込んだバックパッカーの時代の時。
(厳密に言うと友人の彼氏の友人の部屋だったんだけど)
1週間くらい3人で小さな部屋で過ごした。
友人の彼氏は失業中か働く気がないか分からなかったが、
とにかく優しくて、朝から近くの市場で新鮮な魚を買ってきて
美味しいムニエル振る舞ってくれたりした。
皆お金はなかったが、お金がないなりの楽しい遊びをした。






コインランドリーで洗濯機を回しに行く。
待っている時間カフェで時間を潰す。
できあがったら乾燥機にはかけず、部屋で干そうとなる。
ベランダがないので、部屋中にロープを交差させて干す。
お互いの下着事情に笑い合う。
友人のパンツはラブリーなハート柄だった。






公園へ行こうとなる。
適当にワインとつまみを買う。
お金を払わない代わりに、彼は荷物持ちの係になる。
何て言う公園かは忘れてしまったが、
蓮の花がたくさん浮いている大きな公園だった。
布を広げ、お酒をのみ、ただただ寝て飲む
今日と同じような風が吹いてたなと思い出す。





日が沈んだので帰ろうとなる。
すると大粒の雨がいきなり降ってきた。
もちろん傘は持ってない。
敷いていた布を上に持ち上げ二人が先頭を走る。
街頭の光が布越しに透けている。
夢中で森を駆け抜けた。
私は布の中から二人を追いかける。
周りは暗いはずなのに、布の中から見える後ろ姿、
間から見える世界がとても眩しく、今でもはっきり覚えている。
雨でずぶ濡れになって、部屋に戻り服を脱ぐ。
順番にシャワーを浴びるが3人目でお湯がタンクから足りなくなる。
もちろん3人目は友人の彼氏だった。
水のシャワーを浴びた彼に、私達は温かいコーヒーをいれる。





こんなことを書いていたら、雨が降ってきた。
何を書こうとしたかも忘れた。
人は死ぬ前、走馬灯のように
色んな光景をフラッシュバックするという。
たぶん布から見た光景は思い出す一つだと、
今日みたいな夜は思う。






あと何度こんな体験ができるだろうか。
切りとられる瞬間は誰も教えてくれない。









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深爪

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